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現代中国語の「アルタイ語化」に関するメモ。普通語・北京語は元の時代から,修飾成分が前置されるようになった

現代中国語の「アルタイ語化」に関するメモ。

現代中国語は,かなり「アルタイ化」している

現代中国語の「アルタイ化」とは,動詞が文末に移動すること。

現代中国語のアルタイ語化 | オブ脳@kcg
http://blog.kcg.ne.jp/objectbrain/201...

  • 本来, 動詞は主語の次なのに、動詞が最後に移動する
    • このことを「現在中国語のアルタイ語化」という


現代中国語のアルタイ語化の一例、動詞後置文の増加 子欲居日記/ウェブリブログ
http://86959807.at.webry.info/200711/article_6.html

  • 「伝統的」に「我打開空調。」という言い方も可能
  • が、「我ba空調打開。」のように、前置詞の「ba」を使って動詞を後置する北方アルタイ語的な言い方は, 現代中国語、特に全国共通語たる「普通話」(プートンファ)ではポピュラーである


このような変化が起きた理由は,中国語が他の言語と接触したため。

元(げん)の時代から変化が始まった。

中国語 - 楽学オンライン 中国語学習サイト
https://sites.google.com/site/lexueza...

  • 現代北方語(普通話を含む)は元代以降、かなりの程度アルタイ化した
  • そのため必ずしも孤立語的、単音節的ではない。


日本言語学会 - 口頭発表要旨:杉田
http://www3.nacos.com/lsj/modules/doc...

  • 中国語は最近, VO 型の諸言語と接触し,その名詞句の修飾構造を OV 型に変化させつつある。
    • これらの言語にとっての中国語化は,かつての中国語にとってのアルタイ化と本質的に同等のプロセスであると考えられる。
  • 中国語が SOV 型への変化をとげる為には,「哈」のような後腹的格表記の獲得を経て,名詞句 S と O とが区別されなければならない。
  • 中国語の語順は,言語接触による動揺と元の状態への復帰とを繰り返して,不空合な状態が続いてきたと考えられる。


かなり詳しい解説:

* 第1節 漢民族と漢語の形成
http://www25.big.or.jp/~yabuki/doc3/k...

  • 中国語の古典では、名詞句は「ひとりぼっちの+おおきなカリ」(孤+鴻)であり、修飾語はかならず被修飾語のまえにおかれる(逆行構造)。
    • ところが動詞句のばあいは、「きもちをつたえる」(伝+情)のように、修飾語は被修飾語のあとにおかれる(順行構造)。
    • 名詞句が逆行構造であり、動詞句が順行構造であるのは、世界の言語の構造から見て不自然である。
    • 通常は名詞句が逆行構造なら動詞句も逆行構造、名詞句が順行構造なら動詞句も順行構造というふうに一致する。
  • 言語学の教えるところによれば、一般に北方型言語は逆行構造をもち、南方型言語は順行構造をもつ。
    • 日本語は、名詞句が「美しい+花」(修飾語+被修飾語)のように逆行構造をもつのと同じく、動詞句も「キモノを+着る」(修飾語+被修飾語)と逆行構造をもち、二つの構造が一致している。
  • では現代中国語はどうか。
    • 「ひとりぼっちの+おおきなカリ」(孤単的+鴻雁)という名詞句は、古典と同じく逆行構造だが、動詞句の「きもちを+つたえる」(把情懐+伝達)も、「修飾語+被修飾語」すなわち逆行構造に変化し、名詞句と動詞句は逆行構造に統一されてきた。
    • つまり、現代中国語においては、名詞句も動詞句も同じ逆行構造になり、北方型言語の通則に合致するようになった。
  • アジア大陸の言語は、アルタイ語、中国語群(北方語、南方語)、ミャオ・ヤオ語、チベット・ビルマ語群、カム・タイ語を並べると分かることだが・・・
    • 南にくだるにつれて、名詞に対する修飾成分が名詞に後置される
    • 北へのぼるとその逆に、修飾成分が前置される特徴をもっている。
    • そして南(南アジア語)と北(アルタイ語)をつなぐ中国語は、けっして等質ではなく、中国語のなかが、アジア大陸の言語の類型特徴をそのまま縮めたミクロコスモスをなしている
  • 中国語の「方言」のうち、南方型の名詞句構成の痕跡をいちばん多く残しているのは、カントン語である。
    • たとえば「おきゃく」は北京語では「客+人」だが、カントン語では「人+客」である。
    • もっとも体系的に南方型の統辞法の痕跡を残しているのは、家畜の性別をあらわす語彙である。おんどり、おうしは南方では「鶏公」「牛公」だが、北方では「公鶏」「公牛」になる。「オスの」「メスの」にあたる修飾語(形態素)は、南方型では被修飾成分のあとに来るのに対して、北方型では「修飾語+被修飾語」の語順になる。これは前者が南アジア諸語の語順を反映し、後者がアルタイ諸語の語順を反映したものである。

アルタイ語とは何か?

アルタイ語とは何か:

アルタイ語 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A...

  • 言語グループについては「アルタイ諸語」


アルタイ諸語 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A...

  • 仮にアルタイ語族という説が成立するとしても、「具体的にどの言語をアルタイ語族に含めるか」に関して様々な見解が存在する


古い呼び方で「ウラル・アルタイ語」という名称があったが,現在は否定されている。

迷信「アルタイ語説」を越えて--日本語の探検(2)--その他、シリーズ外の記事: 鐘の声 ブログ
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyo...

  • 「ウラル・アルタイ語説」は戦前の定説に過ぎない
    • 戦後は「アルタイ語」と言い換えられたが、「アルタイ語族」という概念自体が危うくなっている


日本語はウラルアルタイ語族と昔習いました。 モンゴル語、朝鮮語、日本語は てに...
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/...

  • 「ウラル・アルタイ語族」は19世紀の仮説です。
    • 20世紀には完全に否定されています。今は21世紀です。
  • 未だに「ウラルアルタイ語族」なんて用語を使っている本も人もサイトも、信用してはいけません。

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